垂乳根日誌

読んだり書いたり育てたり。自分のための記録ですが、よければどうぞ。

アウトプットしたい

第2子長男のお産の入院中に読了。

 

本を読めなくなった人のための読書論

本を読めなくなった人のための読書論

  • 作者:若松 英輔
  • 出版社/メーカー: 亜紀書房
  • 発売日: 2019/09/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

「本を読めなくなった」と感じる人は多いのだろうね…。

 

 

私も長女の出産前後から特に本が読めなくなった。

長女の時は妊娠中から活字を追うのがしんどくなって、

『Arne』『Ku:nel』『暮しの手帖』みたいな雑誌ばかり読んでいた。

 

産院に持参した『ムーミン谷の冬』は2ページしか読めず。

産後3か月くらいで図書館で借りた『赤毛のアン』も、

時間をかけて返却期限ぎりぎりにやっと読み終えた記憶。

そして産後半年くらいだったか、

梨木香歩さんの『春になったら苺を摘みに』を読んで

やっと活字を読む感覚を取り戻し、梨木さんの文章が身体に染み入って、

じわじわと喜びが広がったときのことを覚えている。

 

それからはや3年と少し、やっぱり本が読めないと感じているわけです。

時間も余裕もないし、疲れているし寝たいし。

 

で、若松さんは『~読書論』のなかで何と言っていたかというと、

「読めないなら、書いてみれば?」と。

 

妊娠や乳児の育児というのは、

母体が子どもに体を乗っ取られるようなものだと感じていて、

妊娠中はもちろん、産んでからも抱っこや授乳で自分と乳児の境界があいまい。

乳児が痛がれば我がことのように自分も痛みを感じ、

泣けば心がざわついて、自分の入浴やトイレを差し置いても駆けつける。

 

そのなかで、それでもわたしはわたし、と自分の境界を取り戻したい衝動に

駆られることがあるわけで、それは夫やほかの人に話しても

本当にはわかってもらえない切実な気持ちで。

 

だから、自分のためにここでアウトプットしてみようと思う。

もともと頭の中だけで何かを深く考えるのが苦手な私にとって、

どうも記憶力が低下してきたと感じている私にとって、

おあつらえむきだと思うわけです。